本来ひと月前の話ではあるが、このところの更新頻度からもお察し頂けるように多忙なため、今日になってようやく書き上げることとなってしまった。いちおう恒例化した、過ぎ去っていった年に捧げたい本のリストである。
このリストは、2019年の間に私が、世の中の動きなどから気になった本、人に薦められた本、実際に読んで心に残った本などを挙げるものである。
多分に個人的事情を含むので、対象は今年出版された本に限られないし、文学賞やベストセラーなどでもスルーする場合もある(むしろそういう方が多いかもしれない)。“興味がある”だけで未読本も多いため(多忙と何より怠惰のためである)、「読んだ本から選ぶベスト〇冊」などとも異質であろう。
つまり、個人的なメモに過ぎないのである。が、どこかの誰かの備忘または反面教師、あるいは研究対象くらいにはなるのかもしれないと思って公開する。
今回も前回に引き続き、月毎に区切って日付順で挙げていくことにする。それでは1月から。
12日、『まんが日本昔話』の語りや『家政婦は見た!』などで知られる女優の市原悦子氏が死去された。私は氏を役者としてよりも『日本昔話』の声優として親しんだ方であるが、ともあれ残念な知らせだった。
上に示した本は、氏の生前最後の著書となったものである。死後にも氏の発言を集めたものが編まれているが、市原悦子の大ファンだというライターの沢部氏を前に、飾らない言葉を語ったであろうこの本を挙げておきたい。
同じ12日、日本古代史研究者・思想家の梅原猛氏が死去された。京大(当時は京都帝大)哲学科出身、神道や仏教の研究など、興味を惹かれる要素のある人物ながら、その著書を精読した憶えがない。未読のまま見送ることになったのは、やはり心残りである。
よく知られた氏の著作といえば、法隆寺を聖徳太子の怨霊鎮魂のために建立されたとした『隠された十字架』かもしれないが、今の気分としては、より広範な論考である上掲書が興味深い。
16日、第160回芥川賞・直木賞の決定発表があった。受賞作3作のうち、ここでは芥川賞を受けた上田岳弘氏の『ニムロッド』を挙げておこう。未読だが、高度な情報化の末に登場した仮想通貨を織り込んだ作品という点に面白みを感じている。
29日、直木賞作家である橋本治氏が死去された。以降に挙げる人もそうだが、未読のまま作家を見送るのは、毎度ながら残念至極である。
挙げたのは、10歳ごとに年齢が異なった6人の男を主人公として、敗戦から2つの大震災までという、戦後の日本と日本人を描き出した物語だという。初期の『桃尻娘』なども未読ではあるが、氏の文学的決算と目される上掲書も興味深い。













