沢木耕太郎『深夜特急』の感想
大学4年の卒業間近に、「やばい、4年間でろくろく本も読んでない」と思って大学生協でハードカバー全3冊を購入して読んだ。大学生が焦って読む本だったかと問われると微妙なところである。
「積み荷のない船」は名曲
この物語自体を知ったのは実は高校2年の頃で、どういう企画か不明だがテレビドラマ(?)として放映されていたのを見たことによる。
いま調べたら大沢たかお主演の『劇的紀行 深夜特急』という映像作品のようである。DVDが出ているみたいなので、どうにか入手して、もういちど観たい。
ちなみに井上陽水が歌っていた主題歌「積み荷のない船」は、カラオケでたまに歌う。どうでもいいか。
本書の概要
基本的にドラマも原作もストーリーは同じ。インドのデリーからイギリスのロンドンまで、主人公が乗合いバスで行くというものである。
博打にハマったり、病気になったり、パスを無くしたりと色々なトラブルに合いながらも、底抜けの自由を感じつつ西へと向かう旅路を描いている。
ちなみに、2003年当時、私がやっていたバイト先のK田さん(本人もかなり世界を旅していたみたい)曰く、「旅の話にドラッグとセックスが無いのはおかしい」。なるほど言われてみれば確かにそうかも。
それはそうと、ここまで破天荒な旅をしたことが無い自分にとってはとても魅力的な本だった。でも厚いせいかもう一度読もうという気にはあまりならない。
文庫かkindle版で拾い読みでもしようか、と思う。エーゲ海のあたりのシーンが、平穏で光に満ちていて、でも寂しさがあって好ましい。