何か読めば、何がしか生まれる

純文学からラノベまで、文芸メインの読書感想文です。おおむね自分用。

中川与一『天の夕顔』の感想


(2003年3月読了)

 確か東京駅の書店で、さも新刊のように平積みされていたのを買った。しかし、実際はそうとう昔の作品である。

帯に騙される

 中川与一の名前を知っていれば、作者が昔の人だということは分かったはずである。なぜだか帯が掛けられており、それがあたかも気鋭の新人のような煽り方だったので、すっかり騙されてしまった。

清々しさ

 とはいえ、移動の高速バスの中で引き込まれて読んだ。一人の女に命を捧げるという男の生き様は、ある意味ではうそ臭いものだが、それでも心動かされる。
 カバーにも文体にも共通する、青い清清しさがあるように思う。手に持っていて嬉しい文庫本である。

天の夕顔 (新潮文庫)

天の夕顔 (新潮文庫)

 

 

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