何か読めば、何がしか生まれる

純文学からラノベまで、文芸メインの読書感想文です。おおむね自分用。

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

岩田博『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 2003~2008』の感想

所属人員1名(つまり筆者である岩田氏だけ)の歴史・民俗学系出版社の岩田書院が、新刊発刊ごとに出している新刊ニュースの「裏だより」を収載した本である。一応、出版業界の端っこに生息している者として当事者意識を持って(いるつもりで)読んだ。 ちな…

伊集院静『三年坂』の感想

どの作品も、人生というものの残酷さとか煩雑さといったものに、立ち向かおうという意図を持たず、しかし立ち向かう人間の強さが滲み出ているように感じた。亡妻である夏目雅子や付き合いのあった色川武大のことに触れたあとがきを読み、この作者を少し好き…

石川武志『ヒジュラ インド第三の性』の感想

筆者の本職が写真家のため、ふんだんに写真が用いられているのは有難いと思う。ヒジュラという存在が身近でないため、文字だけではどうしてもイメージが湧き難いだけに写真は助けになるであろう。

竹島由美子・山口文彦『虹を追うものたち』の感想

素行不良だったり無気力だったりした高校生達が、演劇や厳しい国語の授業を通して変わっていく様子を描いたものと要約していいだろう。国語科教師で演劇部の顧問でもある竹島氏が、とある私立高校の特進コースから普通コースに移った1994年から始まり、途中…

阿部和重『アメリカの夜』の感想

(2004年8月読了) 阿部和重の名を、学生時代にとある教師から教えられた。その教師には別段共感するわけでもなかったが、常日頃は批判的なその教師があまり褒めるので、どんな作家かと思いデビュー作を読んでみることにした。以下、まずはあらすじ。 あらす…

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