何か読めば、何がしか生まれる

純文学からラノベまで、文芸メインの読書感想文です。おおむね自分用。

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ゆく年(2018年)におくる63冊

今年も有象無象に忙殺されて読書は捗々しくなく、“昨年よりは少しまし”程度となりそうだ。それでも、ゆく年に送る本のリストを作ることは無益でないと信じて、今年もまた作りたいと思う。 このリストは、1年間、世の中の動向などから興味が広がり読もうと考…

ヘルマン・ヘッセ『デミアン』の感想

序盤こそ『郷愁』や「少年の日の思い出」を思わせるノスタルジックな成長物語と思われたが、それだけではなかった。謎めいたデミアンに代表される「カインのしるし」を持つ者による、それまでのヨーロッパやキリスト教や、“一般的に成功とされる人生というも…

会田誠『青春と変態』の感想

『氷菓』シリーズで青春の光と影を垣間見てきたが、それらがとても綺麗だった反動で、よりドラスティックな青春というものを読みたくなり、この小説に思い当たった。 …書き連ねたが、一言にまとめれば、冒頭の「よりドラスティックな青春を描いた小説を読み…

亀井秀雄 監修/蓼沼正美 著『超入門!現代文学理論講座』の感想

内容としては、4つの現代文学理論を解説し、ひいては「主人公の気持ちにピタッと寄り添」うことが規範とされている(本書p.8)らしい、学校における国語教育に一石を投じたもの、と要約できそうである。ここでいう「現代文学理論」とは、20世紀になって登場…

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