何か読めば、何がしか生まれる

純文学からラノベまで、文芸メインの読書感想文です。おおむね自分用。

SF

筒井康隆『脱走と追跡のサンバ』の感想

題名の「脱走」という言葉からは、村上龍氏の『希望の国のエクソダス』を思い出す。が、社会システムとしての日本からの「脱出」を描いた『エクソダス』と、本作の「脱走」はいささか異なる。「狂騒」という言葉がふさわしいと感じる長編だった。

新城カズマ『サマー/タイム/トラベラー2』の感想

間が空いたが2巻についても述べよう。1巻については以下のリンクから。 まずはあらすじを述べる。 あらすじ 花火大会3日前の放火は、大事には至らず済んだ。しかし、「ぼく」――卓人(たくと)達がアジトにしている喫茶店〈夏への扉〉には、またも放火犯によ…

新城カズマ『サマー/タイム/トラベラー1』の感想

刊行から数年後に入手し、5年以上積読にしていたものを、不意に読みたくなって引っ張り出してくる。なぜ今そんな気になったかというと、新海誠氏の新作映画のせいかもしれない。それか、Twitterを始めてフォローしたアカウントの幾つかがSF好きだったからか…

筒井康隆『にぎやかな未来』の感想

デビュー作「お助け」を所収した短編集。短編集というよりはショート・ショート集といってよさそうな本で、全40篇超を収めている。後の自分のためにざっとタイトルのみ挙げておこう。

鈴木光司『らせん』の感想

監察医の安藤は、海での不注意で幼い息子を亡くし、別居中の妻からなじられ続け、ついに離婚を言い渡される。そんな彼が解剖することになったのは、不可解な死を迎えた学生時代の友人、高山竜司。死因を心臓の冠動脈の閉塞による心不全とした安藤だったが、…

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