思想
著者の実体験に取材したと思われる「お茶」――茶道と人生についての随想録である。その概要と感想を記す。
当時、とつぜん建築に関する仕事が入ってくることになり、付け焼刃でも建築について知る必要が生じた。その際に手に取った本の1冊である。 結果的に、あまり仕事の役に立ったとは言えなかったが、スケールの大きさと語り口の軽妙さも手伝ってか、読み通した…
〈古典部〉シリーズの最新作に当たる短編集である。まだ文庫版も出ていないので、単行本(上製本)で読んだ。例により、まずは各編のあらすじを記すことから始めよう。
2016年、何かの展示企画で本書を見かけ、副題にある「世界との和解」という言葉に興味を惹かれ、読み始めた。 著者である対馬美千子氏とはお会いしたことがある。しかし、お互い主役でもない集まりで、少し言葉を交わしただけなので面識があるとは云い難い。…
一読して面食らったのは、『遠野物語』と『古事記」という民俗学的な文献を例に取っているという点だった。「序」では全世界的な視野で考えられるものとして共同幻想論を提示しているが、本編は日本国内に限られている感じがして、少し窮屈にも思えた。とは…