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何か読めば、何がしか生まれる

純文学からラノベまで、文芸メインの読書感想文です。おおむね自分用。

東直己『バーにかかってきた電話』の感想

ミステリ

(2015年6月読了)

 大泉洋主演の映画を観たのは数年前。確か映画館で観たと思う。その原作小説を今さら読んだ。ちなみに、本シリーズの第1作『探偵はバーにいる 』は、件の映画の上映に前後して読んだと思う(そのうち過去の感想が現在に追いつく前に出てくるだろう)。 

 映画と第1作のタイトルが(ほぼ)同じで混乱させられるが、映画は、この第2作目の方を元に創られている。

探偵はBARにいる

探偵はBARにいる

 

  札幌ススキノ界隈で便利屋をしながら、夜ごと盛り場に精勤し、違法博打で小金を儲けたり山の中で“いけない草”を仲間と栽培して暮らすアル中気味の「俺」。

  そんな彼の根城であるバー「ケラー」に、ある夜コンドウキョウコと名乗る女性から電話がかかってきた。心当たりのない女性からの電話に困惑しつつ、「俺」は彼女の依頼を受け、ススキノに暗躍する暴力団右翼団体を追うことに――というストーリー。

 ハードボイルドというとチャンドラーの『長いお別れ 』が直ちに思い浮かぶが、思い浮かぶだけで自分は読んだことがない。だからハードボイルドが何なのかはっきりとは分からず、この小説がハードボイルドといえるのかは分からない。でも、バーでお酒を飲むシーンや、友達で空手使いの高田と一緒に派手な肉弾戦を繰り広げるところ、それに斜に構えていながら弱者への優しさが滲む地の文など、これがハードボイルドかという点はさておき、とても魅力的だった。

 舞台が札幌(の特にススキノ界隈)という点も興味深い。自分は札幌には1度しか行ったことがなくて、ススキノには立ち寄れなかったが、行ってみたいと思わされた。

 細かな違いはあるとはいえ、ストーリーの骨子は映画のそれと同じなので、その辺りは自分にとって新鮮ではなかった。それでも「俺」の独白をずっと聞きながら札幌の街をウロウロするのは、映画にはない楽しさだったように思う。

 もう1冊、この作品の次作に当たる『消えた少年 』も既に入手している。こっちはストーリーも完全に初見だし、ウィスキーでも飲みながら読み進めたいところ。 

バーにかかってきた電話 ススキノ探偵シリーズ

バーにかかってきた電話 ススキノ探偵シリーズ

 

 

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